KGU. 学生トレーナー部




トレ部のトレ知識

「足関節捻挫の起こる仕組み」


 スポーツだけではなく日常生活においても、足をぐねっての足関節(足首)の捻挫はよく発生します。みなさんも経験したことがありませんか?

そもそも捻挫とは、外傷により本来の関節の動く範囲以上に強制されて動くことをいいます。なお、これによって関節包、関節靭帯の損傷を伴います。

そしてよく起こる足関節捻挫ですが、その起こり方の多くは、足裏を内側にむけて(これを内反と言います)の足の接地をすることによるものです。足裏を外側に向けた(外反)状態での足関節捻挫を起こしたという人は少ないでしょう。



ではなぜ、内反での捻挫が起こるのでしょうか?

最も大きな理由として、人間の骨の構造にあります。まず、その場で一方の足関節の内くるぶしと外くるぶしを触ってみてください。すると、わずかですが内くるぶしの方が上にあると思います。そもそも足関節は、腓骨・脛骨・距骨の3つの骨で構成されています。そのうち外くるぶしにあたるのが腓骨の外果という部分、内くるぶしにあたるのが脛骨の内果という部分です。脛骨の内果が少し上に位置するということで、足部は内側に大きく曲がりますが、外側には骨があるためそれほど曲がらないということです。

                       
      
図1.ヒトの左下腿の骨                      図2.左脚の内反・外反の動き


なお、強い内反による足関節捻挫では、外側側副靭帯の前距腓靭帯が緊張して損傷する。さらに強い力が加わると、関節包を含めて踵腓靭帯の損傷が起きます(「外側側副靭帯=前距腓靭+踵腓靭帯」と考えても良いかと…)。

 足関節の捻挫は、バレーボールやバスケットボールのようにジャンプする動作が多いスポーツでは着地時に発生する。他にはサッカー・ラグビーなどでの接触で受傷することや、野球での滑り込みの際に受傷しやすいです。


他にも内反捻挫が起こりやすい理由はたくさんありますが、それはまた後日お話します。
そしてこのような足関節の捻挫を起こさないために、足首のストレッチをしっかりと行いましょう!!



作成日:2009年5月10日(日)、
作成者:森岡銀平
参考文献:
 執筆 立野勝彦、監修 奈良勲・鎌倉矩子:標準理学療法学・作業療法学 整形外科学 第2版.医学書院.140.2006
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